最近、話題の洗たくマグちゃん。消費者庁からの措置命令とか効果のあるなしについて盛り上がってますね。(今はだいぶ落ち着いたのかな?)
今回の記事は洗たくマグちゃんに効果があるかどうかのお話ではなく、洗たくマグちゃんが環境に与える影響についてのお話になります。
洗たくマグちゃんは環境に悪い?
結論
結論としては、環境に良いとも悪いともまだ言えない段階。洗たくマグちゃんの歴史はまだ浅く、研究している人もいない。結論づけるには環境に良いというエビデンスも悪いというエビデンスもないためなんともいえない状況です。
金属マグネシウム(マグちゃん含む)の環境負荷は決して低いものではない。という意見があります。この意見の持ち主かずのすけさんは、例の報道があった後すぐにTwitterでつぶやかれていたのでご存じの方も多いと思います。
「界面活性剤を使用していない=環境にやさしい」と解釈する人が多いが、主流な洗剤の界面活性剤類はどのくらいの消費量・排出量なのかを【PRTR制度】にて環境悪影響が生じないように管理されている。
— かずのすけ (@kazunosuke13) 2021年4月28日
一方でマグネシウム溶解水を経年的に排水として流し続けた場合の環境負荷は現状では一切不明。
かずのすけさんについて
まず初めに、この意見の持ち主かずのすけさんについてご紹介します。美容化学者として当ブログでもよくご紹介している方です。
1990年福井県生まれ。京都教育大学教育学部を経て、2016年に横浜国立大学大学大学院環境リスクマネジメント専攻・洗剤洗浄科学研究室を卒業(環境学修士・教育学学士)。専門は有機化学で大学では界面活性剤とタンパク質の研究、大学院では化粧品リスクと消費者教育に関わる研究を行う。現在は研究活動のかたわら、サイト運営や化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などにも携わる。2013年9月よりブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき」を運営。
引用元:秒でわかる!最強の家事 かずのすけ著 のプロフィールより一部抜粋
今回はかずのすけさんのブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき」の記事「洗剤いらずの洗剤!?【洗濯マグちゃん】大検証!!洗浄メカニズムや実際の洗浄力・安全性は?その②」を参考にしています。
アルカリ洗浄以外の何か
かずのすけさんの実験では洗たくマグちゃんの「油汚れへの洗浄力」は思ったほど高くないという結果が出ましたが、実際に市販洗剤と同じぐらいに落ちているという消費者の声や、まぐちゃんには消臭効果や抗菌効果・抗カビ効果を実感している人が多いことから
洗たくマグちゃんには「アルカリ洗浄以外の効果」がある?
引用元:かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき(以下の引用元も同様)
と予測。
マグちゃんは「還元漂白剤」の可能性あり!?
と考察。
考察の結果、洗たくマグちゃんのマグネシウムそのものが強力な還元剤であるということです。
還元作用というのは簡単に言えば相手を破壊する作用です。
臭い成分であれば臭いは失われるし、菌やカビは分解されて死んでしまいます。
だから、洗たくマグちゃんで洗ったらイヤな臭いしないし、洗濯槽もキレイになるんですね。
ちなみに、予測とか考察とかの内容は実際にはもっと濃い内容が書かれています。わたしの簡単な書き方では全然伝わっていないと思うので、詳しくはかずのすけさんのブログをご覧ください。
環境への懸念
上記の還元作用を踏まえて環境のことを考えると心配が残ります。
かずのすけさんも下記のように書かれています。
このマグネシウムの作用によってカビや菌類が死滅する、ということを肯定的にとらえることも可能ですが、一方でカビや菌が少しずつでも死んでいくということは
それはつまり「微生物に対する毒性がある」ということです。
それが本当だとすると、今後多数の方が使用して洗濯排水を流した時に環境にかかる影響はどうなんでしょうね。
わたしの考え
ここから下はわたしの考えになります。
かずのすけさんの環境への懸念についても今の段階では予測であり、確定ではありません。まだまだ研究の余地はあります。
こんな意見もあると思います。
かずのすけさんって、経歴をみると完全に界面活性剤寄りの人じゃない?どうせ、洗剤メーカーの手下なんでしょ。営業妨害に決まってる。
確かに、そういう考え方もできます。かずのすけさんと洗剤メーカーが水面下で繋がっているのかどうかはわたしは知らないのでなんとも言えません。ただ、ブログやYouTube、書籍を拝見している限り洗剤メーカーを贔屓しているようには見えません。あくまでも、化学者として化学的考察に基づいた意見をされていると思います。
本題とは話が逸れますが、今回の消費者庁からの措置命令について、ネット上で洗剤メーカーからの圧力ではないかという意見もあるようですね。マグちゃんを使う人が増えたら、洗剤が売れないから圧力をかけたのではないかということのようです。
よーく考えてみたら、マグネシウム粒を買って自作でマグちゃんもどきを作っている人も洗剤メーカーと同じことをしているのではないかと思うのです。これも、洗たくマグちゃんへの営業妨害になるのでは?と思います。同時に洗剤メーカーへも営業妨害していることになるのかも。
おわりに
本当に洗たくマグちゃんを愛しているのであれば、反対側の意見(環境に負荷がかかる懸念)があることを認識し、本当に環境にやさしい商品なのかと私たち一人一人が疑問を持つことが大事なのではないかと思います。私たち一人一人が疑問を持てば、世の中の意見が変わります。世の中の意見はメーカーや専門家を動かします。結果、安全性や環境負荷が少ないと証明または、改良されるでしょう。
全てにおいて言えることですが、何よりも避けたいのは、メーカーの宣伝文句を鵜呑みにすることだと(わたし個人的には)思うのです。